このページはこんな内容です!(目次)
四国八十八ケ所めぐりで開運
四国霊場八十八箇所は弘法大師空海が開創とされています。太師ゆかりの地を巡礼することで俗世から離れて、心を清めたり、悩みと向き合う時間をつくったりすることができます。テレビなどで紹介されることも多く、タレント、スポーツ選手、政治家など多くの著名人もこの地に足を運んでいます。
現代風に言う、もっとラフな考え方もあります。88件のお寺を参拝しながら四国を1周できるという旅です。大学生なども夏休みを利用して巡礼している人も多くいます。この人気は世界にまで及び近年では海外からの観光だけでなく巡礼を行う外国人も増えています。
▲四国八十八箇所を開いた弘法大師の像
四国の道を車で走ると、いたるところで頭に笠をかぶり、背中にお経を書いた白衣(びゃくい)をまとった人を見かけます。この人たちが四国八十八箇所を巡礼している人たちです。地元ではこの方たちを親しみを込めてお遍路さんと呼んでいます。
今回は旅行気分で車で四国霊場に出かけました!四国は山と海に囲まれた自然が多いところです。景色も楽しめてドライブするのにも最適です。高い場所の山道も、波が間近に見える海沿いの道も最高の眺めでした。
弘法大師 空海と四国八十八箇所「弘法さん」「お大師さん」は空海のことです。平安時代初期の僧であり、弘法大師の名で知られる真言宗の開祖です。幼名は佐伯 眞魚(まお、まいお、まな、等諸説あり)。日本天台宗の開祖最澄と共に、日本仏教の大勢が、今日称される奈良仏教から平安仏教へと、転換していく流れの先頭に立った僧です。中国に渡り日本に真言密教をもち帰りました。当初、四国八十八箇所は、大師を偲ぶ修行僧が巡礼していたが庶民にも大師信仰が広まり今の姿になったとされる。大師が讃岐(今の香川県)でご生誕されたことも、八十八箇所の霊場が四国に出来た大きな理由といえます。
開運四国八十八ケ所 巡礼の意味
- 信仰・修行
- 禊・懺悔
- 厄落とし・開運
- 身内や友人の死を悼む旅
- 健脚・健康祈願
- 観光
お寺の境内に入るたびに多くのお遍路さんに出会います。ベンチなどもあり腰掛けるといろんな人が気楽に話しかけてきます。都会だと警戒してしまいますが、ココは心地良い空気が流れる異空間です。参拝している人にその理由を聞いてみました。
- 定年後に来てみたいと思っていてやっと念願かなって夫婦で旅が出来ている
- こどもが亡くなってしまって、寂しい思いを改めるために歩いています
- 会社の経営に失敗して人を信じる、信じてもらうということをもう一度考えるたびにしている
- とにかく自然に触れたくて、都会から離れた暮らしがしたくて
- 今まで人に優しくできていない人生を送ってきたので改め開運したい
ココに数行程度で書ける内容でない方がほとんどでした。ココに来るまでにいろんな思いを抱えて参拝されていました。
四国遍路の旅は何のために四国遍路の旅は修行者や僧侶・信仰者・修験者の義務ではなく、庶民や悩み多い人たちが祖先の供養や宗教心を深めるために自ら決意して巡礼しているもの。他の巡礼地と比べて「金持になりたい」や「願望成就のため」等という現世利益(将来もっとよくなりたい)のためというよりも病気改善、懺悔や死を悼むなどのためが多い。悩みを抱えた巡礼者が覚悟を決めた死装束に身を包み、病や悩みを抱えて祈る。過去を悔い改めたり、生き方を探る旅でもある。
わたしが出会った人を見るかぎり、巡礼の意味は人それぞれ違います。本当の意味よりもこの壮大な大地をめぐり、その土地で見知らぬ人に触れ合い、人間本来のココロを取り戻す旅という印象を強く受けました。とにかくお遍路さんも、その土地の人もみんな優しい。人ってこんなに温かいんだと感じます。自然と笑顔にもなります。
開運 四国八十八ケ所 巡礼方法
参拝には手順やルールがある
札所(お寺)に着いたら・・・。
- 山門(仁王門)にて合掌、一礼。門みたいなところです。両脇に金剛力士像が立っています。
- 手洗い所・手水場(ちょうずば)にて手を洗い、口をすすぐ。ひしゃくが置いてあるところです。拝む前に手と口を清めます。
- 本堂(金堂)にて、献灯、献香をし、納札を納め、礼拝し、お経(読経、写経等で)を奉納する。
- 大師堂(本堂とは別にあります)にて、本堂と同じ手順で献灯、献香をし、納札を納め、礼拝し、お経(読経、写経等で)を奉納する。
- 納経所にて、納経帳等にお納経(ご朱印)をいただく。おみくじやお札を売っている窓口みたいなところです。(七時から一六時くらいまで。お寺や季節によって変動あり)
という感じです。自分の場合は本格的に巡礼していなかったので、本堂と大師堂に参拝しただけです。いろんな手順は後で詳しく知りました。手の洗い方にも順序があります。
手洗い作法・手順
- 右手に柄杓(ひしゃく)を持ち
- 左手を洗い流す
- 左手に持ち替えて右手を洗う
- さらに柄杓を持ち替えて左手で水をためて口をすすぎます
- 左手を洗い、すすいだ水を吐いたところに水をかけて流します
- 最後に残ったお水で柄杓を立てにして、柄杓の柄(手で持った部分)に水を流す
霊場をまわる順番
まわり方は一番札所から順番に巡る「順打ち」と、八十八番札所から始める「逆打ち」がメインです。この2つの他に、どこから始めてもOK!的な「乱れ打ち」あり、全部で三つあります。
1度の旅で八十八箇所のすべてを一気に巡礼することを「通し打ち」といいます。何回かに分けて巡ることを「区切り打ち」といい、区切り打ちのうち各県(阿波、土佐、伊予、讃岐)の4つに分けて、県ごとに巡礼することを「一国参り」といいます。「一国参り」はバスツアーなどで組まれていることも多いようです。
申年 閏年の2016年は「逆打ち」遍路の年だったので大窪寺からまわりました!2016年は香川から始まる「逆打ち遍路」の方がご利益があり良いとされている年です。実は「本場 讃岐うどん」の旅も兼ねていたので、うどん県と呼ばれる香川県をスタートにしました!
「逆打ちのご利益のゆらい」1.【逆打ち】は逆まわりのため、道案内の標識や看板を見ながら進むのが難しいと言われています。そのため、順打ちよりもご利益が倍になると考えられています。
2.【逆打ちは閏年】昔、八十八箇所を巡っていた弘法大師に失礼を働いた伊予(愛媛県)の豪商・衛門三郎が大師に許しを請うため大師を追いかけ遍路に出ましたが、20回以上順打ちで巡礼しても追いつくことができず、逆回りをすることで出会えたという言い伝えから逆打ちを行うと通常の倍の御利益があると考えられています。そしてその年が閏年だったということです。
3.【丙申(ひのえさる)の逆打ち】さらに2016年は閏年というだけでなく、逆打ちで弘法大師に巡り会えたという伝説が残る60年に一度の丙申(ひのえさる)にもあたっているので、さらにご利益が倍増するといわれていました。一体何倍なの?って感じです。
巡礼の道具・装備
白衣に輪袈裟を着て、手甲をつけ、脚絆に地下足袋をはくという白装束姿が正式なスタイルですが、現在は、簡略化して身につける人が増えています。もっともオーソドックスなのは、白衣に輪袈裟をつけて、頭に菅笠をかぶり、手に金剛杖を持つという格好です。山中や山上のお寺もあるので、足元は履きなれたスニーカーがおすすめです。
- 白衣(びゃくい)巡礼者が着用する白い服。弘法大師を表す梵字と「南無大師遍照金剛」と背中に書かれている。この上に袈裟を簡略化した輪袈裟を首にかける。
- 金剛杖(こんごうづえ)弘法大師の化身として大事に扱うのが基本。橋の上ではついてはならないとされています。
- 菅笠(すげがさ)一般に笠には「迷故三界城」「悟故十方空」「本来無東西」「何処有南北」の文字と「同行二人」と梵字が書かれています。お堂の中やお坊さんの前でも、取らなくてよいといわれています。
- 納札(おさめふだ)遍路巡礼の証として、本堂と大師堂の納札箱へ納めるものです。巡礼の回数によって色柄が異なります。
- 納経帳(のうきょうちょう)御朱印帳と呼ぶ人もいます。参拝の証として、墨書きや御朱印をもらうための帳面。コレを集めるのが楽しみという人も多くいらっしゃいます。
- 念珠・線香・ろうそく・経本など
▲笠と白衣を着たお遍路さん。
それぞれの装備はどこで手に入るのかが分からないのだけど、実際のお遍路さんに聞くとバス会社、ツアー会社が用意してくれたとかお寺によっては販売しているとのことです。ネットでも販売されているようです。セットで買った方がお得で便利だそうです。
歩いてまわるお遍路巡業セットB / 遍路さん 遍路 巡礼 四国八十八か所 四国遍路 セット グッズ 同行二人 (白衣サイズ3L, 納経帳カラー:赤) 新品価格 |
開運四国八十八ケ所霊場一覧
四国は香川、徳島、高知、徳島の4県あります。時計で表すと、12時の方角に愛媛と香川の県境がきます。12時から2時の方角が香川県。8時から12時の方角が愛媛県。2時から4時くらいが徳島県。4時から8時くらいが高知県です。(イメージです)
各県の霊場の数
札所・霊場の数は88ですが、その内訳は・・・。
- 徳島県・・・23箇所
- 高知県・・・16箇所
- 愛媛県・・・26箇所
- 香川県・・・23箇所
阿波国(徳島)の霊場23か寺は「発心の道場」、土佐国(高知)の霊場16か寺は「修行の道場」、伊予国(愛媛)の霊場26か寺は「菩提の道場」、讃岐国(香川)の霊場23か寺は「涅槃の道場」と呼ばれています。意外にも面積が一番広い高知県がいちばん札所が少ないです。ちなみに88の霊場寺院を結ぶ道を遍路道といいます。この道には道しるべが要所要所に点在しています。(歩いていないと見つけにくいかも)
▲四国のみち。他にも遍路みち、へんろみち、などを見かける。
実は八十八箇所以外にもある霊場
実は、四国には四国八十八箇所のほかにも空海にゆかりのある寺院が数多くあり、四国別格二十霊場(しこくべっかくにじゅうれいじょう)というのがあります。この20を足すと人間の煩悩と同じ108になることから「煩悩を滅する」ともいわれています。この別格霊場を参拝する人もいますが、八十八箇所に比べると格段にその数は少ないそうです。
開運のために四国八十八ケ所参拝に出かけてみた
88番札所 大窪寺
▲最初は88番札所の大窪寺。坂道が多いけどお土産屋さんやお食事処もあってなかなか楽しめるところでした。うどん食べました!杖や白衣などのお遍路セットも売ってました。
87番札所 長尾寺
▲長尾寺。実はスマホのバッテリーが切れてココだけ写せませんでした!境内は広々としています。本堂と大師堂は並んであります。
86番札所志度寺
▲志度寺の本堂。右側には大師像が存在します。ジャングルのような境内でした。ココは山上とかではなく平地にあって行きやすかったです。この裏側には道一本挟んで瀬戸内海が広がっています。平賀源内ゆかりの地らしいです。
85番札所 八栗寺
▲八栗寺 後方は五剣山
▲八栗寺 聖天堂。本堂の左手にあります。大師堂は本堂から少し離れた右側にあります。
84番札所 屋島寺
屋島寺は屋島(292m)の山上にあります。とにかく広い!源平古戦場の史跡もたくさんありました!本堂の横には有名なタヌキが祀ってありました。日本3大タヌキの一匹である屋島の太三郎狸です。
▲屋島 名前の由来は屋根のような形をした山ということらしいです。元々は島だったそうです。
▲屋島城跡。最近できた観光スポットだそうです。
開運四国八十八ケ所霊場 まとめ
四国八十八箇所は、巡っているうちに考え方が変わってくるそうです。すべてまわるには長い道のりになります。多くの人に出会います。
人に触れ合うことの大事さ、優しくすることの大事さを学べました。そして、札所へ行く道のりは札所に近づくほど自然豊かな地になっています。薄暗くて少し怖いようなところもあります。神秘的であったり荘厳な場所もあります。歩いているといろいろ考えさせられます。人間の小ささや、悩んでいることの愚かさ、自然の中では人間はとても小さいということを感じさせられます。
巡礼している人はたくさんいます。みんなそれぞれに目的をもってやってきています。幸せになりたい!開運したい!という人よりは今までの人生の禊であったり反省、祖先やなくなった方の供養のために回っている方が多いように感じます。自分の人生を見直すたびをされている方も多くいます。国境を越えて世界中から来られているようです。
四国八十八箇所には人を引き寄せる何かがあるんだと思います。その「何か」は人それぞれ違うと思うのですが・・・。一日で回り切れないほどの長い道のりであることも人気の秘密かもしれません。四国は神秘のアイランドです。